与那国島(ルリマダラ・フィリピン亜種)
- いつざい あおき
- 2024年7月7日
- 読了時間: 2分
更新日:2024年7月28日
ルリマダラを初めて国内で採集したのは2014年で、迷蝶に注力すべく石垣島に引っ越した年のことです。8月2日にマサキルリマダラ台湾亜種、翌3日にルリマダラ台湾亜種がヤマグチ氏により採集されたと、与那国ホンダのブログで目にして、押っ取り刀で駆け付けた8月8日に仕留めたのでした。もちろん台湾亜種です。翌2015年6月27日、タカハシ氏と与那国島の宇良部岳山麓で立ち話をしていました。タカハシ氏が珍しく、お先にどうぞと言うので、スクーターにまたがり先を行き、そのまま頂上まで上がってしまいました。そこに電話がかかってきました、「青木さんが通り過ぎたところにルリマダラがいました。フィリピン亜種です」。
「青木さんはマダラ王を名乗っていても、ルソン斑のマダラを採っていないじゃないですか」、そうタカハシさんは事ある毎に言います。
マダラチョウは種が異なっていても、斑紋がエリアごとに平行遷移をし、同じような模様になることが知られています。ルソン島のルリマダラ属は、顕著に前翅頂に白斑を生じ、これを俗にルソン斑と言います。このルソン斑の付いたルリマダラ属の迷蝶をずっと採りたかったわけですが、今回(7月3-5日)ようやく叶いました。
このところ与那国島の迷蝶は宇良部岳山麓の新川線の道端で採集されることが多く、僕も新川線に拘泥していました。行き合ったマツムラさんが「宇良部岳にも行かないとダメですよ」とおっしゃるので、行ってみました。宇良部岳の頂上に上がる道でスクーターを走らせていると、auのアンテナのある手前くらいで、背後に青く光る蝶の影を見ました。前翅頂に青く光る斑紋も見い出せたので、ルソン斑のマダラだと判断できました。
慌ててスクーターを停めると、低木の前をそれは弧を描くようにゆっくり飛んでいました。そこをすかさずネットできた次第です。翅を閉じた状態で前翅裏面に、逆三角形状に並ぶ小白斑が確認できたので、マサキルリマダラより採集が難しいルリマダラと判りました。
嬉しい。
かなりの大物を採集できて、緊張感が無くなってしまったのか、その後、ミナミコモンマダラ、イワサキコノハをそれぞれ採り損ねました。あんまり悔しくなかったのは事実。

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