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石垣島(バナナセセリ)

更新日:2024年5月2日

八重山諸島のバナナセセリは、2002年3月に与那国島で初めて記録されました。その後発生も確認されました。ベトナム戦争による米軍航空機の往来でインドシナ地域からもたらされたと言われる、1971年6月に確認された沖縄島のものとは違い、台湾からの進入であろうとされています。しかし、その台湾も自然分布ではなく、やはりベトナム戦争によって本種は移入されているようです。その後、与那国島では数年に亘り発生を繰り返していましたが、今では見られなくなりました。


与那国島に遅れること1年の2003年6月には石垣島でも発生が確認され、以来現在に至るまで発生は継続しています。こちらも、台湾ないし与那国島からの飛来と考えるのが順当でしょう。ただ沖縄島のように個体数は多くなく、なかなか難易度の高い種です。何か所か比較的安定しているポイントはあり、『シン・八重山諸島採集観察地ガイド。』でも紹介しています、その他、伊原間の明石集落や白保集落でも確認されているようです。食草のバショウやバナナはあちこちに点在しており、丹念に見ていく必要があるかもしれません。


一方、西表島などでは報告がなされず、西表島産の標本があるという怪情報のみでした。しかし2021年11月に幼虫の造巣が確認されました。その後続報も出ており、今後に注意が必要です。また、仮に西表島への伝播が石垣島からのものとするなら、竹富島や小浜島でどういう具合なのか、興味は尽きません。


さて、石垣島に点在するポイントの一つで、4月28日にバナナセセリの巣を見つけました。フタもしてあり生きた幼虫がいることは想像できたので、巣を暴くことはせずそのままにしておきました。



 
 
 

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